村松賢一・スピーチコミュニケーション通信 2010年10月号より。先日,全国の家庭科教師の集まりで,「コミュニケーション能力の育成」というテーマで話をした。当初,講演依頼を受けた時は,「家庭科教育=調理・裁縫」が「コミュニケーション能力」と結びつかず戸惑った。が,改めて,学習指導要領や実践報告に目を通す内に,筆者の家庭科のイメージがひどく時代遅れのものであることに気づかされた。そして,子どもたちのコミュニケーション能力の育成に関して,家庭科には家庭科でなくてはなしえない貢献のしかたがあることを教えられたのである。今回は,国語科教育の枠からははみ出すが,大変関係のある話なので,そのことについて触れたい。
前お茶の水女子大学教授 村松賢一