「英語の授業は英語で」。昨年3月に高等学校の学習指導要領が改訂された際に,マスコミが飛びついたキャッチコピーである。その後,このような指導法の「改善」について,高校現場において真剣な議論が交わされた気配は感じられないし,学校英語の基礎的な部分を担う中学校で,高校での「英語で授業」の意味について議論があったとも聞いていない。そもそも,このような指導法についての規定が,高校の学習指導要領でのみなされていることに奇異な感じを持たれた先生方もおられようが,それはさておき,中学・高校の授業が英語でどの程度行われているのであろうか。
元文部科学省初中局主任教科書調査官・視学官 小串雅則