[本文より]
図画工作が必要かどうかという問いは,常に教える教師につきまとう。むしろ,図画工作を教えるということ自体が必要性を問い続ける活動と言えるようだ。そして,答えは経験とともに見えてはくるようだが,しかし,その答えに安住はできない。学習指導要領には「……造形的な創造活動の基礎的な能力を育て,豊かな情操を養う」と目的が示され,生活を豊かにする教科として位置づけられている。しかし,考えてみると,図画工作は明治以来,教育の目的を常に時代に合わせ変化し続けてきたのである。そして,今日の図画工作も時代の変化の中で新たな目的を求め変容しつつある。
文教大学教育学部准教授 三澤一実