教師は、授業を豊かにすることを常に願っているが、そのために、道具を借りる。道具を借りて、いろいろな工夫をする。例えば、可視化である。子どもが教師の説明を聞いて理解できないのは、子どもの頭の中で描いているイメージが、教師のイメージや概念と異なるからで、例えば、気圧の変化と天気の関係は、言葉でいくら説明しても、子どものイメージと異なれば、理解できない。そこで、言葉という道具だけでなく、ICTという別の道具を用いて、概念をアニメーションなどの動きのある情報を提示して、イメージが伝わるように工夫する。
東京工業大学名誉教授 赤堀侃司