村松賢一・スピーチコミュニケーション通信 2010年4月号より。最近,都内の小学校で,一風変わった討論授業を見せてもらった。6年生が,「自由とは何か」という論題でパネル討論をしたのである。担任のA先生によると,事前に子どもたちに,どんなテーマで話し合いたいか意向を聞いたところ,「大人と子どもどっちが得」「小国とはどんな国」「地球に役立つ生き物は」「コンビニはなぜ24時間営業できるか」などの候補の中で一番支持を集めたのが,この哲学的な論題であったという。一風変わったというのは,その内容ではなく,進め方である。
前お茶の水女子大学教授 村松賢一