サッカー界は4大会連続のワールドカップ出場を果たし、2002年のワールドカップ以降、多くの選手が海外でプレーするようになってきた。そこで見えてきたことがある。そのうちの一つがロジカル・コミュニケーション・スキルである。日本語では言語技術と言っているが、この中に論理的思考が加わって初めて成り立つものである。島国で、同じ民族、同じ言語である日本は、「沈黙は金」「阿あ吽うんの呼吸」といった、言語に頼らない言葉以外でのコミュニケーション・スキルがある。論理学というと難しく考えるかもしれないが、ベースとなるものは、「私は……と思う。なぜならば、……だからである。」というフレーズを常に持っているかということである。
財団法人日本サッカー協会 専務理事 田嶋幸三