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初めて教壇に立ってから，いくつかの大学でいろいろな学生に出会った。その中には，英語が好きでたまらなくて，放っておいても英語を勉強する学生もいた。でも多くは，英語が苦手で，あまり好きではなくて，必修科目だから仕方なく授業を履修している学生たちだった。ここ何十年の間に，英語のスキルを教えるテクニックについて，多くの研究がなされ，魅力的な方法や教科書が出された。しかし，私が出会った，英語嫌いになってしまった学生たちには，それらの方法が通用しないこともあった。中学高校で英語に関する苦い思い出を重ねてしまった彼らは，単位のために授業には出席するものの，英語という言葉を聞いた瞬間，耳を閉じてしまうのだ。
東京海洋大学准教授 大野美砂
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