ある中学校の英語の授業を参観させていただいた。まださほど経験年数のない若い先生だったが、新しい理論に準拠した意欲的で、充実した授業だと感心した。教師の事前の準備も周到であり、生徒側の学習態度も積極的で、反応も活発であった。そういう点では申し分がないのだが、疑問がなかったわけではない。それは生徒が発表のさいに冒す誤りにどのように対応すべきかという、古くて新しい問題である。とくにライティングによる発表を中心とする授業であっただけに、あらためて強く意識させられたというのが正しい。
山形大学名誉教授 金山等