新指導要領においても,従来と同様,「多様なものの見方や考え方」を理解すること,そして,「外国や我が国の生活や文化」について理解を深めたり,「言語や文化に関する関心」を高めたりすることが重要とされています。言いかえれば,日本と外国の言語や文化について理解を深めることの大切さが述べられていると言ってもよいでしょう。とはいえ,実際の中学校での英語の授業では,語彙や文法構造の学習のほうに注意が行きがちです。そのため,異文化理解や日英対照言語学的な側面が教科書の題材に含まれていても,授業では十分扱われていないことが考えられます。実際のところ,みなさんの場合はどうでしょうか。恐縮ですが,以下の10項目のうち,これまで授業で取り扱った項目が何個あるか数えてみてください。
山口大学教授 高橋俊章