「単語力を増強するには,『接頭語』や『接尾語』を覚えればいい」というのは昔から言い伝えられてきた常套手段です。しかしながら,物の本の多くは,「pre=前に」,「sub=下に」,「dis, un, im=反対の意味にする接頭語」といった説明と該当単語が記載されているだけで,具体的な例文はないに等しいのです。これでは,せっかくの知識も「実践」には使えません。日本語を英語に翻訳する際の「極意」を伝えるために『AF和英』が例文を精選し,さまざまな仕込みをしています。どんな仕掛けを施しているのか,「否定の意味の接頭語」を使って種明かしをすることにしましょう。
英語辞書評論家 野元一郎