中学ではよく声を出していた生徒たちが,高校に来たとたんに声を出さなくなる,ということはよく耳にする話です。多くの高校教師が悩まされていることですが,これはいったいどうしてでしょうか。この原因の1つとして考えられることは,高校段階になると,身体の発育とともに生徒たちの精神段階もかなり成長し,目的のわからない単調な作業に抵抗感を抱くようになる,ということです。それでは,そんな単調作業を忌避する高校生にどのように音読指導を試みたらよいのでしょうか。ここでは,私の試行錯誤の一端を紹介したいと思います。
青山学院高等部 田辺博史