第6回 考えさせよう
小口カール和香(こぐち かーる わか)
小学校英語
東京書籍2002年10月作成
一時,英語教育の世界では,構造主義と言うものが幅をきかせ,パターン・プラクティスという勉強の仕方が一世を風靡したものです。ある構文があるとすると,基本文を提示し,その基本文を練習したら,その中の一語を変えてまた練習。次はまた一語を変えて練習。といった具合に,どんどんパターンを変化させて行くドリル方式の学習法です。これは,全く個人の意志や個性,好奇心といったものを無視しした学習法で,どこかの○○式と同様,わたしから見れば実に非人間的な学習法です。英語,そして言語は,あくまで生き物。数学の公式でもないし,お経でもないのです。ただ意味もなく入れ替えたり,唱えたりしたところで,身につくものではありません。何度も言うようですが,初めに言葉ありき,ではないのです。言葉はコミュニケーションの手段として生まれたものであった。そして今もそうです。
(こぐち かーる わか) 小口カール和香