[本文より]
終戦後ただちに大きな問題となったことのひとつは教育のことであった。私は詳しい事情は忘れてしまったが終戦より少し前から教育学部の海後宗臣氏と知り合いになり,終戦後間もなく各学科の教科書を調べる委員会ができたとき,参加を求められた。周知のように,戦後までは教科書はすべて文部省が編集し,いくつかの会社が印刷販売する制度であり,東京書籍がそれらの会社のひとつであった。終戦後,占領軍の指示により,教科書の編集は文部省の手から離れ,東京書籍その他いくつかの会社が引き受けることとなる。
元数学監修者 彌永昌吉