[本文より]平成20年3月に告示された学習指導要領では,技術・家庭科の技術分野において,「作物の栽培」が「生物育成に関する技術」に大きく変更され指導内容も追加された。技術分野の目標には,「生物の育成に関する基礎的・基本的な知識及び技術を習得するとともに,技術と社会や環境とのかかわりについて理解を深め,技術を適切に評価し活用する能力や態度を育てる」と示されている。このことは,今日,人類の大きな課題である地球温暖化を始めとする環境問題に対応できる生徒の育成を目指したものであると考えられる。私たち人間も地球上に生きる生物であり,多種多様な生物との共存なしに命をつないでいくことは不可能である。つまり,環境問題を解決すためには,身近な植物の栽培や生物の飼育等の実践的・体験的な学習を通して創造的な環境問題解決力を身につけさせることが求められているのである。こうした点からも,学習指導要領で示されている「C.生物生育に関する技術」の指導内容を理解し指導することが重要である。
京都府京都市立蜂ヶ岡中学校 井上方志・内野正裕