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ニューヨークのトワイライトゾーン

  • 英語
  • エッセイ
公開日:2008年09月02日
ニューヨークのトワイライトゾーン

夏なので,ニューヨークのちょこっとだけ恐い話を。私の友人が,ニューヨークに遊びに来た時,ミッドタウンのあるホテルに泊まった。寝苦しい夜を過ごすうち,夜中にふと目をさます。真っ暗闇,部屋の中を人が歩いている。それも一人ではなかった。ビックリした彼は,目を凝らして暗闇をみつめた。すると,ベッドから見ると右側の壁から,たくさんの人がわさわさとあらわれでてくる。と,おもうとそのまままっすぐ反対側の壁に消えていくのだ。その数,十人やそこらではない。「そんなもん,数えられしまへんがな。何十人,へたすりゃ,百人単位ですがな」と,興奮している。彼らはみんな泥にまみれ,疲れた顔をした労働者だった。そして友人には,はっきりとアジアのどこの国の人たちかがわかったという。「そんなの,なんでわかるのよ」と私。「いや,ほんまでんがな。なんでか知らんけど,はっきりわかるんやて」その後,何日か同じシーンを見続け,最後にメイドらしきおばあさんが出て来た。そして彼のベッドのところに来て,ポン!っとふとんの上から彼の足を叩き,にやっと笑ったらしい。それから一切出なくなったという。

イラストレーター 海沼築紫

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