前回で述べたように,単位制の理想に対して,生徒たちの現実の科目選択や進路状況およびそれに対応した進路指導を考えたとき,どうしても理想が影を潜め,現実的対応が全面に出てくる。教科・科目選択に対して生徒たちに満足感を与えるとともに,進路の現実的対応をしたカリキュラムの作成がこれからの大きな課題である。そのためには,早い段階から生徒たちに自己の将来の進路と科目選択の関係を考えさせ,指導する時間を十分に確保する一方で,多様な生徒の教科科目の選択に対して,複雑化しない教育課程を検討することが急務である。
兵庫県立芦屋高等学校 犬飼建治