[本文より]
近年の大学進学における進路指導は「大学全入化」と「大学階層化」という二つの潮流のなか,そこから生じる諸課題に取り組みながら行われているといってよいであろう。少子化による大学入試の緩和は,確固たる目的を持たぬまま「取りあえず」大学に進学するという意識を高校生の間に広げ,本来,進路指導が意図する「目標に向けて努力する」という意識の醸成を阻害している。加えて,大学側による学生確保対策として近年拡大している学力不問のAO・推薦入試が,比較的容易に大学合格を果たせるようにしてしまい,前述の高校生の意識に一層の拍車をかけている。
ニュ-サポ-ト高校教育情報Vol.2 東京書籍2008年4月作成