[本文より]
昭和45 年に公示された高等学校理科学習指導要領における,いわゆる「理科教育の現代化」以降,日本の高校生物は学習内容やその配列に関して大きな変更がないまま現在に至っている。周知のように,この時代の高校生物は,アメリカのBSCS カリキュラムの影響を最も強く受けたが,このBSCS 自身,その後のカリキュラム開発の中で内容と構成を大きく変えている。そこで,次のような疑問が頭に浮かんでくる。そもそも,なぜ高校生物という科目はその学習内容を変えなければならないのか,なぜ今そのような変更が求められているのか,また,変更に当たってはどのような正当化の論理が必要なのか,等-である。以下においては,これらの疑問にかかわって私論を述べることとする。
ニュ-サポ-ト高校理科Vol.9 東京書籍2008年4月作成