21世紀を担う子供たちには,[生きる力]-自ら学ぶ力と豊な人間性-を育むことが重要とされている。その実現に向けて,学校教育には,ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実が求められている。
このような時代の要請を受け,生きる力を支える基礎・基本を明確にし,算数科の学習のなかで定着を図る授業を目指すことは,価値あることといえる。生きる力を支える基礎・基本は,知識・技能はもちろん,数学的な見方や考え方,関心・意欲・態度をも含み,児童自身が新しい活動の基として主体的に活用し,その有用性を実感できるものでなくてはならない。また,個性を生かす活動に結びつき,子供の自己実現につながるものでなくてはならない。
今回の指導要領の改訂では,「算数的活動」を重視した学習展開を期待している。そこで,「算数的活動」を通して生きる力を支える基礎・基本の定着を図る授業の実現を目指し,主体的に学び,数学的に考える子どもを育てる指導のあり方を研究することとした。
盛岡市立青山小学校 高畑嗣人