教室の窓「小学校算数・中学校数学Vol.12」2008年1月作成
[本文より]
中央教育審議会教育課程部会の審議の検討素案には,「活用」という言葉が数多く出てくる。例えば,次のようなものである(下線は筆者が引く)。「知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等……」「基礎的・基本的な知識・技能の習得とこれらを活用する思考力・判断力・表現力等をいわば車の両輪として相互に関連させながら……」学力の要素として知識・技能と思考力・判断力・表現力を結ぶものとして,「活用」という言葉は使われている。また,全国学力・学習状況調査には,「活用」に関する問題が出題されている。「活用」に関する問題は,「知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力や,様々な課題解決のための構想を立て実践し評価・改善する力などにかかわる内容」と述べられている。これらのことから,算数における「活用」は,知識・技能と思考力・表現力を関連させながら問題解決を行うことになる。
山梨大学教育人間科学部教授 中村享史