「生きる力」をはぐくむことをめざした現行の学習指導要領の主旨をうけ,多くの学校で指導法などの工夫改善に取り組んできている。特に,少人数指導の実施については,小学校では,8割以上の学校が算数科で行っている。さらに,習熟度別学習に取り組んでいる学校も7割を超える。これらの取り組みは,ある程度の成果をあげているといえよう。しかし,その反面,国際調査の結果の報道などで「学力低下」と世間が騒げば,保護者と直接関わる現場でも,それに応えなければと思い,ドリル学習などに力を注ぎ,知識や技能を身につければよいとする学校や教師がいることも現状である。
埼玉県川越市立武蔵野小学校教諭 横山敦子