戦国時代は下剋上の時代であり,身分の差を越えて個人の知恵と力量で勝負する時代と言えよう。そこにはそれぞれの武将の巧みな知恵と,強烈な生き方が存在する。戦国時代においては,一つの判断ミスにより,自分の足元がすくわれることになる。力を着実に蓄え,その場,その時の流れを正しく判断し続けることができた者のみが生き残ることができた時代なのである。戦国武将は天下統一に向けて知恵をはたらかせ,さまざまな難関を乗り越えるよう努力してきた。それらは変化の激しい現代を生きる私たちにとって,今を生きる教訓になったり,これからの生き方の方向性を示すものであったりするのではないかと考える。
滋賀大学教育学部附属小学校 野村幹夫