教室の窓「小学校社会Vol.12」2008年1月作成
[本文より]
今日のようなグローバル社会に対応していくために,中学年の子どもたちに育てていきたいものは何かと問われれば,2つある。第1にグローバルな視点で社会と向き合うことができる子どもである。自分たちの身近に起こっている出来事が世界とつながっているのではないか,世界で起こっている出来事が日本にも,そして,わたしたちが住んでいる地域にもつながりがあるのではないかという見方,考え方ができる子どもを育てていきたい。第2に経済的視点で社会と向き合う子どもである。なぜかといえば,今日のグローバル社会は経済において世界とのつながりが深いため,経済的視点で社会と向き合うことは,同時にグローバルな視点で社会と向き合うことにもつながっていくからである。経済というと難しい話のように聞こえるかもしれない。しかし,子どもたちは経済社会の中で生活しており,ものの売り買いなどをとおして,実際に経済を肌で感じている。経済において世界とのつながりの深い今日の社会では,子どもたちが日常生活の中で営んでいる経済活動そのものが世界ともつながっているのである。なぜ,外国産の野菜は値段が安いのだろう,なぜ,外国から原材料を輸入しなければならないのだろうという見方,考え方ができる子どもを育てていきたい。
広島大学附属小学校教諭 岡本典久