教室の窓「教育情報No.23」2008年1月作成
[本文より]
松下村塾開塾150年をむかえて,この記念誌が出版された。松下村塾は,松陰によるわずか2年10か月で,幕末動乱期から明治維新への改革の人材を数多く輩出した。その教育実績はあまりにも有名である。
今,人生に夢や希望をもたない若者が増えている。それは,多くの人が生きる意味や価値を見出せず,人生の指針を見失っているからではないか。著者はたび重なる挫折を乗り越え,人一倍の情熱と強い信念をもって京セラ,KDDIを創った貴重な体験から,独特の人生論を展開している。著書の一節に「挫折を繰り返しながらも,人間としてよりよく生きることに懸命だった青少年時代,経営の実践の中で,人々を成功や繁栄へと導く考え方を追求した経営者時代,そして事業の第一線を退き,信仰を通じて人生の意義について思索を重ねる現在──私は,このように人生に対して真正面から愚直に向かい合うことで,自分なりの『生き方』を少しずつ確立していくことができたように思います」と述べている。
元東広島市教育委員会教育長 山内吉治