巻頭言「学校外部評価考察の一考」
青山学院大学講師 竹田 忠夫
EduNews Vol.9
エデュニュース-教育行政向け情報誌-
編集:東京教育研究所
東京書籍2006年5月作成
[本文より]
学校は「外部評価」によって,厳しい眼の中にある。外部評価は,学校教育の質や信頼を高めるねらいがある。この質的な面のとらえ方はどうかを一考してみたい。
「学校は,一人ひとりの子どもに対応した教育に力を注いで欲しい。」という外部評価の結果。「習熟度別や個別の指導でかなり力を込めているのになぜこんな数値が?」という学校の内部評価。
外部評価と内部評価の差異の有無,その原因や背景を探り,検討するとき,質的なとらえ方が重要なのである。 例えば,「確かな学力の定着」の面では,点数化できる「学んだ力」のみに眼を向ける保護者の高い評価結果に押されている。真に,生涯学習の視点に立つ「学ぶ力」や「学ぼうとする力」等の質的な学力への親の関心の低さを打破できない現実もみえる。