[巻頭言]拡がり発展する好奇心を
-希望を叶えようとするバイタリティーを-
[本文より]日本の教育は,基礎的な学力を国民の身につけさせることに多くの力を注いできた。これは経済水準が世界のトップレベルにまで到達したことに見られるように,世界の中でも稀有な成功例として誇ってもよい。しかし,今までの延長線上で教育が進められてよいのかと問われると,経済人の多くは首をかしげる。これからの経済では世界のトップランナーとして従業員や企業は独創性や創造性を問われ,さらにさまざまな国の人々と直に話合う機会が増えてくる。日本の国内,国外を問わず,世界中の人々を相手に活動していく時代になっている。また,社会的には少子化の進む中での教育,高齢化時代に対応した生涯にわたる教育が必要になっている。今の教育がこのような社会のニーズや状況の変化に対応しているのかというと,正直にいって心配なのである。
日本経済団体連合会社会本部長 田中秀明