[本文より]
大学生のとき,高校のバスケットボール部のコーチをしていた。ぼくは,高校生のときにバスケットボールに熱中していたから,高校生に接する機会を得て,気持ちはかなり高揚した。チームの力は,県大会に出場すれば,よくてベスト8か16あたり。言葉は悪いが,まあまあのチーム。選手たちの志もそんな感じ。大会で負けても,「こんなところか」と落ち着いている。ぼくは,「これじゃあ駄目だ」と思うのだが,受験校だということもあってか,選手たちには不満はなく,なかには,よくやっていると満足している者もいた。練習ゲームでも,格上のチームだと思うと,はじめから気持ちは負けている。
写真家 浅井愼平