まえがき
現代学校経営37
監修・編者 堀内 一男(跡見学園女子大学教授)
現代学校経営シリーズ37 子どもを鍛える学校-教師集団が自信を持って子どもたちに厳しく教え,指導する学校-
東京書籍2006年4月発行
[まえがき(前文)]
「学力低下」だけでなく,「ものごとに興味・関心をもつ」,「人と楽しく交わる」,「辛くても我慢して継続する」,「相手の心を感じ取る」,「汗をかいて遊ぶ」など,子どもの成長に欠くことのできない資質に黄信号が灯され続けている。「家庭の教育力はこのままでよいのか」,「学校は本気で指導しているのか」,「教師の質を高めなければ」― 立場によって想いも異なるだろうが,要因を考え,どこで誰が責任をもつべきか検討しなければならないだろう。
少子化と高齢化,核家族化が進む家族関係の中で,子どもたちがこのままだと,日本の将来は大丈夫かと心配する声もだんだん大きくなってきた。
少子化が進んだことで,兄弟間の切磋琢磨が無くなったこと。子どもの要求を何でも受け入れることが「子どもへの愛情」と勘違いしている家庭が多くなったこと。子育ての方向が定まらず,子どもの意思を尊重するということで,結果的に甘やかすか,放任する風潮の家庭が多くなってきたこと。子どもや保護者とのトラブルを避けるために,一歩踏み込んだ指導をしない「ことなかれ主義」の学校や教師が多くなってきたことも一因であるのかもしれない。甘やかしや過保護は,いつか過干渉となり,その結果,親子が対立する状況も多くなってきた。(以下略)