[内容]児童・生徒・学生の学力低下が問題になっている。巷(ちまた)では,それは公立学校で教えられる主要教科の授業時間と内容が削減され,少子化現象も手伝ってあまり勉強しなくても進級,進学できるようになったからである,と喧伝されている。筆者もかなり前からこの問題には危機感を抱き,折に触れてそのあたり,場所を求めて訴えてきた一人である。昨年末,国際間の学力比較結果が出るに及び,文科省もようやくその重い腰を上げようとしている。もはや猶予はできない。学力低下を踏まえ,「ゆとり教育」の問題について考えてみたい。
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愛知教育大学名誉教授 後田忠勝