[本文より]
進級・進学の喜びに満ち,希望を抱いているこの時期は,児童・生徒にとって一年で最も新しい自分になろうとする志を強くしている時期でもある。この気持ちを受け止めたうえで進める新年度はじめての道徳の時間でありたいところである。クラス編成があった学年の子は,こうした気持ちとともに,新しい同級生,担任はどんなだろう,うまくやっていけるだろうかといった不安ももち合わせている。編成替えがなかった学年であっても,自分が変わることを周囲はどう見るだろうといった不安を胸に秘めてのスタートである。教師は,教師も同級生も変わろうとする自分を認めてくれていると,児童・生徒一人ひとりが実感できる関係を築くことと,児童・生徒が過去のイメージを引きずらないようにすることが大切である。
東京都北区立王子小学校長 福田富美雄