[特集 社会科で育てる子ども像-人と向き合う](概論)人がいかに登場しているか
筑波大学副学長 谷川彰英
小学校社会-教室の窓Vol.10
東京書籍 2007年4月発行
[本文より]
日本の社会科が危ない。この数年そんな実感がある。それは社会科教育の研究の実態からくる不安感である。昨年ある学会のシンポジウムの司会を務めたことがある。詳細は省くが,「○○知」「○○知」といった言葉が飛び交うだけで,ほとんど生産的な論議ができなかった経験がある。学会に限らず,最近の実践報告などを見ても,具体的な子ども像が描かれることがまずない。また,授業に人間そのものが登場するということが極端に少なくなってきている。
筑波大学副学長 谷川彰英