「教室の窓」小学校保健・中学校保健体育Vol.2(2004年9月発行)より。神戸の小学生連続殺傷事件(1997年)を契機に「心の教育」の必要性が叫ばれました。1998年には栃木・黒磯市で中学生による教師刺殺事件が起き,“14歳問題”という流行語も生まれました。その後,西鉄バス・ハイジャック事件の前後には,17歳の少年による事件が多発し,“17歳問題”が取りざたされました。そして,2004年6月1日に起きた佐世保・小6同級生殺害事件。大きな少年事件が起きるたびに「心の教育」が取り上げられます。しかし,「心の教育」とは何か,という点については極めて曖昧です。「心の教育」という言葉が最初に出た当初には,「心まで教育するのか」という強い批判がありました。そこで,私が考える「心の教育とは何か」について,まず述べたいと思います。