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イングランドがハーストのいわくつきのゴールで西ドイツを破り,劇的な優勝を遂げた1966年のイングランド大会の年にサッカーを始めた筆者にとって,当時は活字でしか伝わらない夢のようなワールドカップが日本に来て,そして,はや3年が経った。ドーハの悲劇を経験し,劇的な岡野雅行選手のゴールでワールドカップへのチケットを手にした1998年のフランス大会,初の2国間開催となった2002年の日韓大会と続き,2006年のドイツ大会へのチケットも手にしたジーコジャパンは,もはや世界大会で戦える真の力をつけたと言って過言でない。しかし,王者ブラジルをはじめ,ドイツ,イタリア,フランス,アルゼンチンなどの過去にワールドカップを頭上に掲げたサッカー大国を前にして,まだ日本は経験の浅いチャレンジ国でもある。そうした日本は2006年ドイツワールドカップでどのような戦いを見せてくれるのか。本稿では,2006年のドイツ大会を占いながらワールドカップの楽しみかたをいくつかの視点から述べ,学校におけるワールドカップの教材化についても紹介したい。
北海道教育大学教授 おざわはるお 小澤治夫