[本文より]
年ごとに,新しい教育法や教材,教育メディアが出回る。これらのうち外国語教師には,どれが役に立つだろうか。外国語教師の目的は,その言葉の運用能力を生徒に伝えることである。しかし,その運用能力は時代によって大きく変わってきた。海外旅行がまれな時代には,海外の本を読み,海外の人と文通できれば,それ以上の能力は要らなかった。電話とジェット機が発達すると,外国語会話能力が大切になった。インターネット時代に入ると,文字の重要性が復活した。どの能力に力を入れればよいのか,わかりにくくなってきている。
上智大学教授 MichaelMilward