[本文より] 20世紀に入って日本をはじめ世界各地で生物種の急速な減少が起きており,生物の多様性に及ぼす人間活動の影響を明らかにかつ,種の絶滅を防ぐための実際的で,効果的な方策を開発することはますます重要になってきた。こうした中で,現在では日本と中国の極く一部にしか生息しない国の特別天然記念物「オオサンショウウオ」も例外ではない。岡山県真庭郡湯原町,川上村,八束村,中和村は,昭和2年に全国で唯一全地域が特別天然記念物生息指定を受け,文化庁,教育委員会による保護下にある。
ところが,平成9年度7月から平成10年12月にかけて,オオサンショウウオ調査委員である筆者らが行った河川調査では,23年前の「昭和50年度オオサンショウウオ緊急調査委員会報告」に比較してその生息確認河川数が激減していることが明らかとなった。
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岡山大学教育学部附属中学校 藤本義博