小学校算数・中学校数学-教室の窓Vol.9(東京書籍 2007年1月発行)より。
現在の算数・数学教育の基礎となる戦後教育改革期から,今回は「理解」について見てみたい。「理解」の用語は,戦後の新しい学習指導法の中で取り上げられ,特に,計算の意味指導や後の数学的な考え方に関連した強調がなされている。これは,戦後に特有な主張ではないものの,戦前・戦中の指導が計算のしかたに偏る傾向があったことへの反省や,算数・数学教育における「理解」の重要性を学習指導要領(試案)で位置づけた点で,この時期の特徴となっている。
東京学芸大学教育学部助教授 蒔苗直道