[特集・小中の関連を意識した教科書の使い方]総論 学種を超えた数学的活動の役割について
東京書籍 2007年4月発行
[本文より]
数学は具体的事象から構造を抽出することにより発展してきた。抽出された構造はさらに抽象化され,あらたな構造へと変容していく。まず,身近な事象や具体物から抽象化された自然数,有理数,実数などの数や点,直線,三角形などが考察の対象となり,数学の進歩につれて一次的な数学的実体としてその地位を獲得していった。
早稲田大学教育学部数学科教授 渡邊公夫