[本文より]
2004年末に発表された国際学力比較調査の結果は,一度鎮静するかに見えた学力低下への議論を再び巻き起こした。そして,学校六日制への回帰,授業時間数の増加,総合的学習の時間削減などが文部科学大臣の口から出てくるようになった。ここしばらくの現場の努力を考えると,議論はいささか迷走気味と言っていいだろう。しかし,いったいこの事態をどう考えればよいだろう。さまざまな議論はあろうが,子どもの成長は待ってはくれない。学校現場は緊急に決断し,対応しなければならないのである。
広島県尾道市立土堂小学校長 陰山英男