[本文より]
社会科の根本は,社会に出て共同生活をおくるうえでの基本的言葉とマナーを教える場であるべきだ。社会における基本的マナーとは,あいさつはもちろんのこと,人の話を聴く,周りを尊重し協調する,そのうえで自分の意見を持ち主張すべきはする,きちんと議論をする,ということだ。閉鎖的でわがままが通る「学校」と,「会社や組織」という厳しい社会との間には,大きな格差がある。あいさつもできない甘やかされた一人っ子がそのまま就職すると,競争社会という厳しい現実に直面して,戸惑う姿がよく見られる。職場としての企業や組織の側にも改善すべき点はあるが,家庭を含めた教育の現場に,大きな問題があるのではないか。
社団法人経済同友会副代表幹事・専務理事 わたなべしょうたろう 渡辺正太郎