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[巻頭言] 「わたしの社会科」:「不易流行」

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公開日:2005年04月18日
[巻頭言] 「わたしの社会科」:「不易流行」



[本文より]日本を代表するプロゴルファー中島常幸選手でも40歳から47歳まで優勝することができなかった。もちろん,あらゆる努力をしても勝てなかったのである。プロゴルファーを辞めようかと悩んだ末,子どものような若いゴルファーに己れを捨てて指導を乞うた。若いゴルファーから「失礼ですが,ボールがよく見えますか?」と問われて眼の手術をした。「身体はどこまで廻していますか。20歳の頃のスイングがこれです」と写真を見せられて,背骨から直す,抜本的な体質改善に取り組み,試合前のストレッチに長い時間をかけて,7年ぶりに彼は優勝することができた。懸命な努力があり,考え悩み抜いたうえで,さらに努力だけでは越えられない抜本的な気づきを,己を捨てて若い指導者に教えてもらっての優勝であった。優勝した時のインタビューで「私は47歳の新人中島常幸です。復活でなく全くの新しい中島が優勝したんです」の言葉にあらわれているとおり,まったく異次元の高次な世界に到達したのである。

早稲田大学大学院教授 北川正恭

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