村松賢一・スピーチコミュニケーション通信 2005年8月号より。最近,ある中学校の読書感想発表会を見学した。中学一年生の国語の授業である。それぞれがお気に入りの本を紹介し,「是非読んでほしいと友達にすすめる」という想定で一分半ほど話す。「銀河鉄道の夜」や「坊ちゃん」などに混じって「蹴りたい背中」や「電車男」などが登場し,いまどきの中学生の関心の一端がうかがえて興味深く聞いた。子どもたちは,あらかじめ,(1)書名(2)作者名(3)あらすじ(4)おすすめの理由5.気に入ったことばや台詞,などの欄が設けられたワークシートに原稿を書き込んでいて,それを読み上げるという形で発表を行った。
前お茶の水女子大学教授 村松賢一