村松賢一・スピーチコミュニケーション通信 2005年10月号より。テレビニュースには,よく子どもたちにさまざまな感想を聞く場面が出てくる。お盆のUターン客で賑わう駅頭,田圃を開放したどろんこゲーム,あざらしの○○ちゃん出現・・・。そんなとき,「どうだった?」とマイクを向けられた彼らはほとんどが「面白かった」「可愛かった」と答える。面白さ,可愛さには本来さまざまな様態があるはずだ。何でもかんでも一つのことばで済ませずに,もう少し別の言いようがないものか,どうしたら,そういう表現力を身につけさせることができるだろうか,といつも考えてしまう。
前お茶の水女子大学教授 村松賢一