村松賢一・スピーチコミュニケーション通信 2006年6月号より。子どもたちのコミュニケーション能力育成が叫ばれて久しい。が,改めて,それって何ですかと問われたら,皆さんはどう答えるだろうか。「相手の立場になって,感じ,考える力」ではないか。先日,アエラという雑誌の編集部にいきなり聞かれて私はそう答えた。コミュニケーションで大事なのは,つまるところ,相手のことばを正確に理解することと,相手の理解や気持ちを測りながら話すことだと考えるが,両方を下の方で支えているのが,「相手の立場になる」能力ではないかと思うからだ。
前お茶の水女子大学教授・日本教育大学院大学客員教授 村松賢一