[本文より]
柔(剣)道が“武道”という言葉で学校教育の中に初めて登場したのは,満州事変の始まる1931(昭和6)年のことである。それまで中学校で選択で行なわれていた柔(剣)道が,この年次のように変わった。『わが国固有の“武道”にして,質実剛健なる国民精神をかん養し,心身を鍛錬するに適切と認め,「剣道」「柔道」両方か,その一つを必修とする』(中学校施行規則)そしてさらに,太平洋戦争が開始された1941(昭和16)年,「国民学校(小学校)5・6年」と「中学校の体練科」の必修科目に“武道”が指定された。
Kimio Sone