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[本文より]
創立から歳月を重ねるごとに，講武所は当初の目標から逸脱し，早くも発足２，３年後には，おざなりの稽古をする者も現れ，何十年来染み付いてきた武士の士風軽薄は，おいそれとは改まらなかった。
特に幕臣がひどかった。最初こそ威勢のいい出発だったが，稽古に出る者は次第に人数を減じ，初期のように武技が著しく上達する者もまれにしか出なかった。
「なんとかしなければ！」と焦る教授陣は，より武士道の美意識を強調しようとした。
・Ａ４判縦・4ページ
Kimio Sone
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