[本文より]
明治維新は“尊皇攘夷”に端を発したものであるが,維新が成ったときの理想は,「王政復古」と「西洋列国を伍す」ということであった。しかし,かたちとして現れたのは,徳川幕府の瓦解であり,「政体」ならびに「生活」「風俗」の一新であった。この大変革を境に,“兵法”はほとんど廃絶に瀕し,剣士たちは路頭に迷い,あるいは逼塞しなければならなかった。『日本剣道史』には,「維新の政変」と「剣道の衰退」について,次のような記述がある。
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Kimio Sone