[本文より]
わが国の学校教育は,
● 共同体の成員の養成をめざす機能
● 個人的な要求を満たす機能の双方を担ってきた。
その背景として,
● 社会全般に見られる共同体機能
● 家庭・地域社会などの教育力が,暗黙のうちに学校教育の存立を支えてきた。
しかし,都市的な生活様式(アーバニゼーション)の浸透にともない,共同体としての地域社会は,今や完全に崩壊してしまった。
そして,生産と消費の拠点であった家族は,特に都市家族の場合,その生産的機能を喪失し,残された消費的機能すら,「外食化」「個食化」などにより蝕まれつつある。
家族の中の子供たちも,家族という共同体の一員としてよりは,“賄い・ランドリー付きのゲスト”として扱われる傾向が強い。
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Kimio Sone