[本文より]
他(教科)教師の「実践」や「研究」は参考にならない。おそらく90%以上の体育教師は,そう考えているだろう。
その主たる理由は,次の三点に集約されよう。
☆ 第一には,専門職としてのエリート意識が,まず考えられよう。
体育教師は専門(競技種目)のエキスパートであり,ある種の自信を持っている。
その自信は最初は小さいが,教えているうちに次第に肥大化し,やがてそれが自信過剰となり,己を顧みることがなくなり,ついには他(教科)教師から学ぶこともなくなる。
そうなると独善的になり,失敗するケースも多々あるが,教育界には都合のよい事に,教えたことがうまくいかないとき,「生徒が悪い」「父母が悪い」「地域社会が悪い」「文部科学省が悪い」等々,自己の指導力の欠如を他に責任転嫁し,すり抜ける道がある。
それゆえ,余程のことがないかぎり,専門(競技種目)担当の体育教師が自信を失うことはない。
・A4判縦・9ページ
Kimio Sone