[本文より] 去年ぐらいから,電子辞書を授業に持ち込む生徒が増え,2年英語コースなどは25~30%の生徒が恒常的に利用している実態を見て,辞書の扱いについて考えなければならない事態に追い込まれてきました。なかには,コンテンツ自体に問題のありそうな辞書も含めて,8割の生徒が使っている学校もあると聞きます。また,ある電子辞書メーカーの取ったデータでは,学力レヴェルの高さと普及率が比例するというような結果も見られるようです。購入を勧めている学校も事実あるようです。私自身も,研究者リーダース英和がe-dictionaryを出したときすぐに購入して4年近くなりますが,その膨大な語数を瞬時に検索できるリスポンスのよさに手放せなくなっています。今年度になって,カシオ,エプソン,シャープ,ソニーなどが広辞苑などの辞書と,和英また,英英をパッケージした電子辞書を次々に出し,そのコンテンツは専門家でも満足できるものになっています。私もついこの間,フルコンテンツの電子辞書をまた購入してしまいました。まだ高価なものという感じがしますが,数種類の辞書がフルコンテンツで入っているのですからコストパーフォーマンスはかなりよいと感じます。私自身は,肯定派なのでこういう普及を見ていると,英語学習の新しいスタイルとして定着するだろうと考えます。現在本校英語科のスタッフ20数名のうち7割の先生が使っております。高校生という語学学習者がこの電子辞書を使うことの是非は,意見の分かれるところで本校教科としてのコンセンサスは取れていませんが,一考察を述べたいと思います。
埼玉県浦和実業学園高等学校 唐澤博