[本文より]
ごくおおざっぱな素描に過ぎないが,これまで13回にわたって世界英語の現況とその背景,そしてそれと関連してジェンキンスのLFCの大要を紹介してきた。よりくわしくは今までの(注)であげた諸文献にあたっていただければとおもう。ただ,一言断っておかなければならないが,私はジェンキンスの理論のすべてに同調しているわけではない。コアに入れる項目についてもかなり異論がある。音韻論の専門家の目からみれば,相当議論が出るところもあるのではないかと推測される。しかし,このLFCのシラバスはひとつの先駆的な試みであり,貴重な知見を数多くふくんでいることは評価すべきであろう。日本の英語教育にも活用できる要素が多いと考えられる。
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山形大学名誉教授 金山等